茶封筒

2015年8月12日 日常
思えば恥の多い人生を歩んでまいりました。
田舎の柄の悪い家に生まれ、その空気の通りある意味、素直に育ち、都会に出て人一倍の挫折と失敗の山を築き、人には図太いと後ろ指さされるような人生を。
今尚、人様に何か物申せるような人間ではないので、人前ではつい、押し黙ってしまいます。こういえば、謙虚なように聞こえますが、そうではなく、今だに言ってはならぬこと、言うべきことの分別が苦手で、それゆえに、図太い、と揶揄されてしまうことがあるということです。人を傷つけること怖さに、大事な人であればある程、綿毛がふわふわと漂うように、少し遠くから触れるか触れぬかくらいのかすかな付き合いにとどめるように努めています。
それが逆に相手を傷つけてしまうこともあり、自分の身の置き所に困惑することもしばしばです。
心がいつも物悲しくあるのは、きっとそんな背景があるのでしょう。
それでも、勇気を出して、人に触れたい、世の中に触れたい、世界に触れたい、生きている意味を感じたい、などと思ってしまいます。そのたびに現状と、そうした欲求との間の隔たりに危うく絶望しそうになるのです。

そんななか、夏のボーナスを頂きました。
私なんかが受け取って良いものかと悩んでしまいましたが、お金は感謝の現れ、といいます。
こんな私でも何か役に立ってはいるのだろうか、いや、確かに、私なしには成り立たぬ仕事もたくさんあったと思い出しました。

ただ、そのどれもが、私の未熟さによって、自分はもとより、周囲の方々にまで辛苦をかけてしまった、、、

それを思うと、ただただ、苦い。

それでも、きっと意味はあったのだ、と自分に小さな炎を灯すように現金の入った、風に舞いそうでありながら、ずっしり重い茶封筒を見ています。

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