■日赤病院の救急科に野暮用があって行っていたんだけど
血まみれの患者とか、患者の絶叫だとかがものめずらしくて楽しかった。
ドラマみたい。
でもアメリカドラマ『ER』のみたいに医者がドタバタして切羽詰って怒鳴るように喋るかんじじゃなくって
ずっと落ち着いてるんですねー。


■救急車が来てしまったので待ち時間がやたら長かったのだけど
おかげで待合ベンチでこんな会話を聞きけた。
18才くらいのいまどき風の女の子とその母親の会話。

「妊娠の疑いだなんて・・・ヒロくんとはそういうことがあったの?」
「・・・・・」
「体は大事にせんといかんのよ、まだまだ、これからっていうのに・・・、大学いったり、勉強したり、いろんなところに行ったり・・・」

なかなか深刻な会話だ。
彼女は突然の吐き気や呼吸困難で来院(受付で来院理由を言うことになってる。多分、救急具合の高い患者を優先するためだ)。
診察の結果、不調の原因は妊娠してしまった、ということらしい。


お母さんは、なかなかネガティブなことを言うけど
まあ、高校生だし、喜べんわな、と思う。

でも割とめでたいかもよ、と横にいた私は思った(まあ、部外者なので好き勝手に言えます)。
それは彼氏が親公認というのも考慮して。

勉強や、旅行は何も若者しかできないわけじゃない。
子供を生んでからだって十分にできる。
むしろそのほうがずっと真剣になれるかもしれないから
子供をすこしばかりはやく産んじゃっても
結構幸せな人生を送れるかもよ、と思う。


■こんなことを思うのも
子供が少し手をはなれてやっと自分の時間とばかりに
生き生きしてるお母さんたちの姿を専門学校で見ているからだ。

彼女たちの勉強に向かう姿勢には迷いがないし、
なによりやりたいことがやっと出来る、という喜びに満ち溢れてて素敵だ。

彼女達は人生経験を積んだぶん、
やりたいことが10代よりはっきりとしてる。
考え方が超リアルで、彼女らの人生設計にはいつも納得させられる。

だって、どこそこの誰さんの旦那の仕事だとか、その内容、稼ぎがいい悪い、
どのマンションが高額だとか、ローンとか保険のお得な組み方だとかの生々しい情報を
日々の主婦会議で取り入れてるのだから、それはもうリアルだ。
(恋愛相談なんかすると、将来をみこした的確でリアルなアドバイスをもらえる。)
そしてリアルさに矛盾するようだが、考え方はすごく柔軟だ。
どっちに転んでも、どうにでも出来るような緩さと、でも、大事なとこは落とさない緻密さのバランスに優れている。
家庭の維持が最優先で
他はわりと、どうにでも組み替えてきた主婦経験がモノをいうのだろう。


そういう姿をみていると、下手に大学でモラトリアムを過ごすより人生が生産的でいいんじゃないかとさえ思う。



■要は
若いからってやりたいことがあるとも限らないんだし
やりたいことが若いうちしかできないだなんて嘘だし、
子供は産みたいなら産んじゃってもいいんじゃない?ってこと。

といっても、シングルマザーは避けたい。

結婚してから学校に通うその財源は、旦那さんのお給料だということを忘れちゃいけない。
なのでできれば、彼氏には大学に行ってもらう。

というわけで、あたしならそのまま産んじゃって主婦になって
虎視眈々と自分の将来と子供の将来を描きながら子育てするな。

大学生は割りと時給よく稼げるし、親にも援助してもらえるからやりくりは可能。
結婚してたら学費も半額だ。

それで子育てが落ち着いたら、自己実現に向けて行動に移せばいい。
彼氏も自分が大学に行ってる間、彼女に子育てさせてしまった負い目から
多分協力的になってくれるだろう。




■今の私ならすんなりそう思えるのだけど、
若いときにそう思えるかは難しそうだ。
考え方が固執しがちだし、いろいろな物事の運び方があることを知らないし、
周囲の目線もあるしで、精神的に大変だろうから。

あの少女、いや大学一回生だった昔の私に
今の考えをインストールできたらもっと選択肢が増えて
悩みも少なかったかな、と思う。




コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索