初夢~穴にすいこまれる~
2008年1月4日 るん♪の妄想あけましておめでとうございます。
なんだかんだ文句いいつつも去年は割りといい年でした。
それはなんだかんだと助けていただいたからだと思います。
ありがとうございました。
今年はもう少しまともな人間になりたいと思っています。
どうぞよろしく。
******************************
以下わたしの初夢。
■乾いた土地
列車に延々と揺られつづけて
たどり着いた先は砂漠だった
生命らしきものは見当たらず唯一、砂漠の大地だけが生きもののように刻々とその姿を変える。
はるか遠くにはちいさくピラミッド。
■らくだと少年
音もなく少年が近寄ってきた。
彼は褐色の肌、お人形のようにかわいい目をしているが
石のように無表情だ。
彼は無言で引いてきたラクダの背を指差すので
私は引かれるようにラクダの背によじ登った。
少年に導かれるまま
私はラクダに揺られどこまでもどこまでもひたすら一直線に砂漠を進んでいった。
少年には明確な目的地が見えるかのように。
少年がぴたり歩みを止めたその場所は
巨大なピラミッドの前だった
目の前に立つとそれはとてつもなく大きかった
この空をまるでこの一つのピラミッドが支えているかのような巨大さ
頂上は見えないほどはるか天空を突き刺していた
私は今度はピラミッドに引かれるように降りた。
少年はらくだをひいてもと来た道を戻っていく。
一人わたしはピラミッドの足元に残されてしまった。
■ピラミッドを登る
しばらくどうしたものか、と思ったが
やるべきことは知っていた。
ピラミッドは、高さは私の身長の2倍もあって
横幅は4倍くらいもある巨大な立方体の石からできていて
人がのぼれるように階段の刻みがついている。
その階段を一歩一歩登っていった。
ピラミッドがあんまりにも巨大だからか
登っても登ってもちっとも進んだ気がしなかった
そのうち底なし沼のような夜がやってきて、
上空からキンと凍ってしまいそうな冷気が降りてきた。
すでに階段は闇にのまれ、見えなくなったが
私は手探りを頼りに登り続けた。
寒さで手足ががちがちになって
痛くて痛くてたまらなくて
もしかして寒さで切れてるんじゃないかと何度も体をさすった。
暖かいベッドが恋しかった。
■夜明け
どれくらい登っただろうか
目を開けているのかどうかすら怪しくなりそうな漆黒のなかで
なにかが遠くの谷間でキラリと光り
そこから数本の金の糸がちらちらと光ながら空に伸びた
そして次の瞬間、
金の糸は数億本の光の束になって一気に空に広がり
世界はいっせいに輝く黄金色に染まった
ピラミッドも空も雲も大地も空気もなにも見渡す限りが金色
胸いっぱいこの金の空気を吸い込んだ私の体も
染められてしまったような気がするほど
すべてが暖かな黄金色に包まれた瞬間だった
気づくと遠い空の隅々まで光の洪水で満たされ
ありとあらゆるものが輪郭と色彩を取り戻していた
遠いオアシスの緑がエメラルド色に輝き
一葉一葉までくっきり見える
その葉の隙間からはダイヤモンドのカケラような湖のきらめきが
こぼれてくる
音にならない喜びの音が満ち溢れている
それは存在を喜ぶ歌
■穴
光の洪水のなかでふと我にかえると
私はピラミッドの壁に空く正方形の穴の前にいるのに初めて気づいた
背丈の半分ほどの大きさでそこだけぽっかりと暗かった
背をかがめて中を覗いてみた
その時
ビュン!
と突風が吹いて
私はその穴にすいこまれてしまった
なんだかんだ文句いいつつも去年は割りといい年でした。
それはなんだかんだと助けていただいたからだと思います。
ありがとうございました。
今年はもう少しまともな人間になりたいと思っています。
どうぞよろしく。
******************************
以下わたしの初夢。
■乾いた土地
列車に延々と揺られつづけて
たどり着いた先は砂漠だった
生命らしきものは見当たらず唯一、砂漠の大地だけが生きもののように刻々とその姿を変える。
はるか遠くにはちいさくピラミッド。
■らくだと少年
音もなく少年が近寄ってきた。
彼は褐色の肌、お人形のようにかわいい目をしているが
石のように無表情だ。
彼は無言で引いてきたラクダの背を指差すので
私は引かれるようにラクダの背によじ登った。
少年に導かれるまま
私はラクダに揺られどこまでもどこまでもひたすら一直線に砂漠を進んでいった。
少年には明確な目的地が見えるかのように。
少年がぴたり歩みを止めたその場所は
巨大なピラミッドの前だった
目の前に立つとそれはとてつもなく大きかった
この空をまるでこの一つのピラミッドが支えているかのような巨大さ
頂上は見えないほどはるか天空を突き刺していた
私は今度はピラミッドに引かれるように降りた。
少年はらくだをひいてもと来た道を戻っていく。
一人わたしはピラミッドの足元に残されてしまった。
■ピラミッドを登る
しばらくどうしたものか、と思ったが
やるべきことは知っていた。
ピラミッドは、高さは私の身長の2倍もあって
横幅は4倍くらいもある巨大な立方体の石からできていて
人がのぼれるように階段の刻みがついている。
その階段を一歩一歩登っていった。
ピラミッドがあんまりにも巨大だからか
登っても登ってもちっとも進んだ気がしなかった
そのうち底なし沼のような夜がやってきて、
上空からキンと凍ってしまいそうな冷気が降りてきた。
すでに階段は闇にのまれ、見えなくなったが
私は手探りを頼りに登り続けた。
寒さで手足ががちがちになって
痛くて痛くてたまらなくて
もしかして寒さで切れてるんじゃないかと何度も体をさすった。
暖かいベッドが恋しかった。
■夜明け
どれくらい登っただろうか
目を開けているのかどうかすら怪しくなりそうな漆黒のなかで
なにかが遠くの谷間でキラリと光り
そこから数本の金の糸がちらちらと光ながら空に伸びた
そして次の瞬間、
金の糸は数億本の光の束になって一気に空に広がり
世界はいっせいに輝く黄金色に染まった
ピラミッドも空も雲も大地も空気もなにも見渡す限りが金色
胸いっぱいこの金の空気を吸い込んだ私の体も
染められてしまったような気がするほど
すべてが暖かな黄金色に包まれた瞬間だった
気づくと遠い空の隅々まで光の洪水で満たされ
ありとあらゆるものが輪郭と色彩を取り戻していた
遠いオアシスの緑がエメラルド色に輝き
一葉一葉までくっきり見える
その葉の隙間からはダイヤモンドのカケラような湖のきらめきが
こぼれてくる
音にならない喜びの音が満ち溢れている
それは存在を喜ぶ歌
■穴
光の洪水のなかでふと我にかえると
私はピラミッドの壁に空く正方形の穴の前にいるのに初めて気づいた
背丈の半分ほどの大きさでそこだけぽっかりと暗かった
背をかがめて中を覗いてみた
その時
ビュン!
と突風が吹いて
私はその穴にすいこまれてしまった
コメント