じいちゃんとこに行ってた。
その日は調子がよかったみたいで起き上がって迎えてくれた。

「どこの娘さんかいな?」

「じいちゃんの孫の○○よ。母さんは幸子」
 
自分で名乗らなくちゃいけなかったけど
でもちっとも寂しくなかったよ。

それよりじいちゃんとばあちゃんはあいかわらずラブラブで

ばあちゃんはじいちゃんがちょっと手を伸ばすだけでも傍にやってきて、
じいちゃんはニコニコとばあちゃんを家のどこにいても目の端で
空気の動きで、音で追ってる。

そんな二人の間にいるのってなんて心地いいんだろう、って思った。
こんなとこに割って入れるなんて、孫の特権だね。
とにかくとっても、穏やかで愛情にみちた空気が心地よかったんだよ。
お互いをいたわりあってる目線が。。。。



二人はあたしの理想の夫婦だ。





じいちゃんの周囲は随分、片付いていた。
モノも記憶もカラダの機能も。
この世のしがらみが、こうしてどんどん片付けられてるのだろう。
あとは、一番、大好きな人とゆっくりと待ってる。
ただ、待ってる。

ああ、じいちゃんはあっちにいく準備を着々としてたんだ。

その日のじいちゃんはこれまでに見たことないくらい
無垢でやわらかい、
満ち足りた赤ちゃんみたいな表情だった。

疑いなくうれしそうなじいちゃんの目が
あたしを覗き込んでた。

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