悲鳴

2006年1月6日
夕方間近の昼下がり
ビルの谷間に女性の悲鳴が響いた
道行く人々が思わず足を止めるほどの

声の主はわからない

前を行っていた黒のロングコートの女性も
やはり立ち止まり振り返り見上げ
つぶやいた

「きもちわるい。」

私には最高にその言葉を発するその人が気持ち悪かった

やがて悲鳴が一度だけだとわかると皆
再び歩き始めたのだった

そして私もまた、歩き始めるのだった

今度はそんな自分に気持ち悪さを抱きながら

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